はじめに
「午後に飲んだコーヒーで夜眠れなくなった」
そんな経験はありませんか?
カフェインは眠気を抑える効果がありますが、摂る時間や量を間違えると睡眠の質を下げる原因になります。今回は、研究や厚生労働省のガイドラインをもとに「カフェインと睡眠」の関係を解説します。
カフェインが睡眠に与える影響
カフェインは、脳の中で「眠気を起こすスイッチ」にフタをするように働きます。そのため一時的に眠気が抑えられ、集中力や覚醒度が高まります。

専門的に言うと、カフェインは アデノシン受容体をブロック する作用を持っているんだ。
この「アデノシン」という物質は、起きている時間が長くなるほど増えて眠気を強くする働きを持っているよ。カフェインはそのシグナルを邪魔することで、眠気を感じにくくするんだ。
さらに、カフェインは飲んでから 15〜45分で血中濃度がピーク に達し、20分前後から作用が感じられる とされています。効果の持続時間は 3〜7時間 と報告されており、夕方や夜に摂ると就寝時間まで影響が残ってしまうことがあります。

コーヒーの効果はすぐ出るけど、実は半日近く体に残っちゃうんだよ!
研究で示されている影響
- 厚生労働省『健康づくりのための睡眠ガイド2023』では、カフェインの覚醒作用は摂取後も数時間持続するため、午後遅い時間の摂取は避けるべきだと明記されています。つまり夕方以降のコーヒーやお茶は、眠りを妨げる原因になりやすいということです。
- アメリカの研究(J Clin Sleep Med, 2013)では、就寝の6時間前にカフェインを摂取しても、睡眠時間が平均で1時間近く短縮することが示されました。この結果から「午後3時以降のカフェイン摂取は避けるべき」と結論づけられています。
- アメリカで学会発表された研究(Gray DM, et al., Sleep, 2019)では、「カフェイン+昼寝(cafnap)」の組み合わせが注目されています。カフェインを飲んだあとに20分程度の短い昼寝を取ると、単独(カフェイン、昼寝どちらかのみ)よりも覚醒効果が高まり、眠気の改善に有効であると報告されています。
飲み物に含まれるカフェイン量(目安)
- コーヒー(1杯 150ml):約100mg
- 紅茶(1杯 150ml):約30mg
- 緑茶(1杯 150ml):約30mg
- エナジードリンク(1本 250ml):約80mg
👉 健康な成人なら 1日400mg以内 が目安(コーヒー約3〜4杯分)。
👉 ただし 個人差が大きい ため、敏感な人は少量でも眠れなくなることがあります。

健康な成人なら 1日400mg以内 が目安だよ(コーヒー約3〜4杯分)。
ただし 個人差が大きい ため、敏感な人は少量でも眠れなくなることがあるよ。
今日からできる!カフェインとの付き合い方
午後3時以降はカフェイン接種を控える
→ 夜の睡眠リズムを守るために最も大切。
昼寝の前にカフェインを取り入れる
→ 「カフェインナップ」と呼ばれ、20分の昼寝+コーヒーで覚醒効果が高まる。
夜はノンカフェイン飲料に切り替える
→ ルイボスティー、カモミールティー、デカフェコーヒーなど。
まとめ
- カフェインは眠気を抑えるが、効果は 3〜7時間持続 する
- 午後遅くの摂取は、睡眠の質を下げる原因になる
- 「午後3時まで」「昼寝前に活用」「夜はノンカフェイン」で上手に使おう

コーヒーは味方にも敵にもなるんだ。午後早めまでなら集中力UP!でも夕方以降は眠れなくなるから注意してね!
参考文献
- 厚生労働省. 健康づくりのための睡眠ガイド2023.
- Drake C, et al. Caffeine effects on sleep taken 0, 3, or 6 hours before going to bed. J Clin Sleep Med. 2013. PubMed PMID: 24235903
- Nehlig A, et al. Caffeine and the central nervous system: mechanisms of action, biochemical, metabolic and psychostimulant effects. Brain Res Brain Res Rev. 1992. PubMed PMID: 1356551
- Gray DM, et al. Combining Caffeine and a Nap to Improve Alertness. Sleep. 2019 (Supplement).
- 文部科学省. 日本食品標準成分表2020年版(八訂).


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