🍅 はじめに
「食前ってどのくらい前?」「食後ってどのくらいまで?」「“食直前”“食直後”っていつのこと?」
処方箋の指示を見て、ちょっと迷った経験ありませんか?
実は、“食前・食後・食間・食直前・食直後”には明確な目安時間があるんです。
この記事では、薬の効果をしっかり出すための正しい服用タイミングを、薬剤師トマトラがやさしく解説します🍅
💊 食前・食後・食間・食直前・食直後の違いとは?
| 指示 | 目安の時間 |
|---|---|
| 食前 | 食事の約30分前 |
| 食直前(しょくちょくぜん) | 食事の直前(5〜10分前) |
| 食後 | 食事の約30分以内 |
| 食直後(しょくちょくご) | 食べ終わった直後(5〜10分以内) |
| 食間 | 食後2時間ほど |
| 就寝前 | 寝る約30分前 |

「食後」は“すぐ後でもOK”です!
「30分以内」なら問題なし。無理に時計を見て焦る必要はありません⌚️
💊 なぜタイミングが大事なの?
薬によっては、食事の影響で吸収スピードや効果の出方が変わります。
ここで以下の例を紹介します。
- 漢方薬 → 空腹時(食前や食事と食事の間)に飲むことで、吸収量アップ
- 鎮痛薬(ロキソニンなど) → 食後または食直後に飲むことで胃への刺激を減らす
つまり、薬を飲むタイミングは薬の目的や安全に合わせて決められています🍅
💬 よくある質問(Q&A)
Q1. 食前と食直前の違いは?
「食前に飲んでください」と言われても、実際いつ飲めばいいの?と迷う人は多いですよね。
薬によっては「30分前」や「直前」など、タイミングが少しずつ違います。
ここでは、食前、食直前の違いにより起きる薬の効き方の違いを具体例を示しながら、わかりやすく解説します🍅
💊 ナウゼリンや漢方薬は「食事の影響を受けやすいタイプ」
ナウゼリン(吐き気どめ)や漢方薬は、食事によって吸収が遅れやすい薬です。
どちらも体に吸収されてから効果が出るまで少し時間がかかるため、
食前30分前に飲むのが基本とされています。
ナウゼリンは、**食事による吐き気や胃もたれを防ぐ“予防目的”**の薬。
食事の間際や食後に飲むと、吸収が遅れて狙ったタイミングで効かないことがあります。
一方、漢方薬は吸収が遅れるだけでなく、食事によって胃のpHや粘膜の状態が変わることで、成分の働きが安定しにくくなることがあります。
そのため、**空腹時(食前または食間)**に飲む方が、本来の作用を発揮しやすいとされています。
ただし、漢方薬は“服用後すぐに効かせる”タイプの薬ではありません。
継続して飲むことが大切で、「空腹時が理想だけど、無理せず続けること」が大切です🍵
💊 食直前に飲む薬もある
一方で、「食事を始める前」に飲むタイプの薬もあります。
代表的なのが、糖尿病の薬の中でもグリニド系とα-グルコシダーゼ阻害薬(α-GI)です。
これらはいずれも、食後の血糖上昇を抑えることを目的とした薬。
食事とタイミングを合わせて飲むことで、本来の効果を発揮します🍚
食事との間隔をあけすぎると、
効果がずれたり低血糖を起こすおそれがあるため、
「いただきます」の前に飲むのが基本です。
もし食後に気づいた場合は、薬によって対応が異なるので、医師・薬剤師に確認することを推奨します。
🍅 まとめ(食前・食直前)
| 薬のタイプ | 飲むタイミング | ポイント |
|---|---|---|
| ナウゼリン(吐き気どめ) | 食前(食事の15〜30分前) | 食事を始めるときに効くよう、あらかじめ吸収させておく。 食事の間際や食後だと効きが遅れる。 |
| 漢方薬(六君子湯・半夏瀉心湯など) | 食前(食事の30〜60分前) または 食間(食後2〜3時間後) | 食事によって吸収が変化するため、空腹時が理想。 ただし、胃が弱い人は食後でもよい場合がある。 |
| グリニド系・α-GI薬(糖尿病) | 食直前(「いただきます」の前) | 食事と間隔をあけすぎないように注意。 食後に気づいた場合はその回はスキップ。 |
Q2. 食後に飲み忘れたらどうすれば?
A. 気づいた時点ですぐに1回分を飲みましょう🍅
ただし、次の服用時間が近いと感じたら、その回はスキップして次から再開してください。

「飲み忘れた=失敗」ではありません。
無理に取り戻そうとせず、続けることがいちばん大切です。
Q3. 食間って「食事の途中」じゃないの?
A. 違います!
「食間」は“食事と食事の間”のことで、前の食事の2時間後くらいを目安に飲みましょう。
🍅 飲みやすくする3つの工夫
① 食事のタイミングに合わせて薬を置く
食卓やお弁当袋の近くなど、“食事とセットの場所”に薬を置いておくと忘れにくいです。視界に入る位置を意識するだけで、自然と服用のタイミングを習慣化できます。
② スマホで「食後アラーム」を設定する
通知があると習慣化しやすく、忙しい日でも忘れにくくなります。
③ 「食前・食後マーク」をおくすり手帳に書く
薬の袋に一言メモするだけでも、自分や家族が見てわかりやすくなります。特に複数の薬を飲んでいる方は「一覧化」がポイントです

「食前・食後・食直前・食直後」は“厳密な時間”よりも“状態”が大切。
食事と薬の関係を理解して、続けやすいタイミングを見つけましょう。
🍅 まとめ
- 食前=食事の約30分前
- 食直前=食事の5〜10分前
- 食後=食後30分以内(すぐでもOK)
- 食直後=食べ終わって5〜10分以内
- 食間=食後2時間後が目安
- タイミングを守ることで、薬の効果を最大限に引き出せる🍅
🩺 参考文献
- 日本薬剤師会「くすりの使い方Q&A」
- 政府広報オンライン「薬の正しい飲み方」
- 協和キリン株式会社:ナウゼリン® 製品情報
- 株式会社ツムラ:「服薬指導のポイント②」
- 日本糖尿病学会:糖尿病治療ガイドライン 2023–2024


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